=【解答者(Aさん)】============================私信===
表題 「人は何故ウイルスを創るのか」について
「人は何故ウィルスを創るのか」
遺伝学を絡めてのウイルス学から入っては、コンピュータ・ウイルスもここから始める必要がありそうですね。遺伝学上、突然変異の役割は極めて高く評価された時期があったが、日本が産んだ、故木村博士の中立説が学会では有力のようです。ダーウィンの自然淘汰説は、現在では少数派に追いやられているようです。
遺伝学のことはこれくらいにして、本論のコンピュータ・ウイルスにもどりますが、この問題はコンピュータ発足当初から付きまとっている問題です。あたかも、人の病の相当数がウイルスに基づく様に、コンピュータソフトの最大の加害者はこのコンピュータ・ウイルスのようです。人の場合はその中でもやっかいなのは、エイズに代表されるレトロウイルスがあります。このレトロウイルスは、基本的には、人の細胞を構成する蛋白質に極めて近い構成をしており、簡単に細胞に取り付き、この場合は白血球やリンパ球の攻撃をかわすのみならず、破壊してしまうなどの性質があり、未だに、エイズに対して有効な対策がないのは、ご存じのとおりです。
人工のウイルスも、このレトロウイルスに正しく似ています。従っていろんな種類のワクチンが、新手のウイルスが発生する毎に開発されても、絶えずスキを伺って性凝りもなく出現し、イタチごっこが続くでしょう。最近では、ワクチンも重武装化し、簡単には侵入できないようになりつつあるようですが、コストパフォーマンスが絡み、全てを重武装化していては、使い勝手が良くない等の問題があります。
コンピュータ・ウイルスは、今や後戻りが不可能となった、今日の社会を構成するインフラとしてのコンピュータ社会に於いて、その存在がセキュリティを損なう最大のものの一つと考えられ、しかも、同胞の人類が起こす病であるだけに、深刻といわざるをえません。
何故、人はコンピュータ・ウイルスを創(作るの方が正しいようですが)るのかですが、知的好奇心から発生したのが、犯罪につらなったものと思います。それが極めて広範囲に影響を及ぼし、等閑視できない問題となったのです。犯罪は、「浜の真砂は尽きるともうんぬん」のようになくならないのですが、コンピュータ・ウイルスに代表されるハイ・テクの犯罪はその影響が大きいだけに小さい内に無くしていくことが必要です。ハイ・テクが引き起こす犯罪を含む危険は、人類が背負った文明の発達にともなう影の部分と考えてよいでしょう。
昔から文明の発達の中で、特に兵器に寄与する文明の進歩は「ダモクレスの剣」として、人類を悩ませ続けてきたことも事実です。例を上げるまでもないですが、今世紀最大の発見発明としての原子力は、今日まで様々な問題を引き起こしてきたことも事実です。また、今後もその恐れなしとは言えないのが実状です。我々人類は、今日まで営々として文明を築き、今日の繁栄を見ていますが、昔日には考えられなかった影(負)の部分も大きくしてきたことも事実です。ではどうしたら、これら影の部分を小さく出来るか、無くせるかは人類に突きつけられた大きな課題です。それなりに努力はしていても危険も大きくなっているだけに、容易に解決出来ない問題が多いのが現実です。
コンピュータ・ウイルスに話を戻しますと、全てが負の存在といいきれないものがあります。
それは、セキュリティ・チェックとコンピュータウイルス・ワクチンの向上に寄与しているからです。容易に書き換えられるようなソフトウエアでは、いたずらに犯罪を誘発するようなものです。
最近話題のパチンコのプリペイド・カードが良い例かもしれません(ソフトだけに起因しているとは言えませんが)。
防犯としての法律の整備も必要でしょうが、ソフトウエアには、ロバスト性と相まってコンピュータウイルス・ワクチン等の対策は当然です。
以上
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【悩める相談者の弁解】「創る」は「作る」の方が普通は正しいのですが、ここでは「創造する」という意味を込めて“表外音訓”の表示を用いました。
しかし考えてみれば、ウィルスなどというものを“つくる”のを「創造」と呼ぶのはいかがなものか。やはり、ここは「作る」,「つくる」or「でっちあげる」と書くべきでした。私の誤りです。
家では、娘達(二人とも文系)に誤字を指摘されたり、漢字の読みを聞かれて読めないときは「僕、理系」といって逃げることにしています。そこで‥‥
僕、理系。
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