=【解答者(Tさん)】==================================私信===
Re:人はなぜ乱暴にキーボードを叩くのだろう
初期のIBMマシンのキーボードなんですが、私は非常に好きです。確かにキーを入力したという感触があるからです。現在のパソコンのキーボードはどれもこれもペナペナで、ちょっと力が緩かったときなど本当に入力されたのかどうか不安になることがあります。そうするとタッチタイプで別のところを見ている場合、画面に目をやって入力されたかどうか確認することになります。私は不精なので、この動作が面倒くさくてしょうがありません。それとホームポジションに指をおいているときにちょっとした弾みでキーを押してしまうことあります。ちょっと椅子に座りなおしたりしたときなどちょっとした動きでもキー入力されてしまいわずらわしい。また紙がキーボードの上に落ちたりちょっとした衝撃でもキー入力がされてしまう。
東芝はキーボードの設計に力を入れていると書いてありますが、それはちょっと疑わしいと考えています。先日紅茶をキーボードの端っこに少しこぼしてしまい、中を開けて拭いたのですが、中はビニールとゴムのシートが入っているだけで、これと言った工夫がなされているとは思えません。実はビニールとゴムの材質を吟味し最適の状態を作り出しているのかもしれませんが、傍目にはコストダウンしているとしか考えられません。昔のスプリングが効いたキーボートがどうして無くなってしまったのかと思っていたら、ビニールとゴムのシートを使っていたとは(*)。
パソコン通信で文章を書いていたり、チャットしていたりするとキーを打つリズムが出てきて、カチカチという音との相乗効果でものすごい勢いでキー入力ができるようになります。このリズムが出てくるとパソコンが自分の手足のように感じられてきて一体感が味わえます。すると次の月に電話代とパソコン通信の利用料で恐ろしい目に遭うことになります。
現在のペナペナのキーボードでもしっかりした入力感を味わうために強くキーを打つようになるのは自然かと思います。
キーボードに限らず筆記用具で文字を書く場合も、筆圧の強い人や弱い人がいるので、キーボードの入力時の指の力は人によってかなり違うとも思います。
初代PC-9801のキーボードも好きです。キーボードはあれくらい頑丈にできていないと。
どんどん話がそれますがIBMの106日本語キーボードは最低ですね。東芝はどうして103キーボードを作るのを止めてしまったんだろう。絶対103キーボードの方がいいと思うのに。
T
(*)主にデスクトップの意味で書きました。ラップトップやノートはキーボードにさける領域が限られているので、あまり無理を言っても仕方がないとは思っています。IBM ThinkPad 701Cの様にキーボードを畳み込んでまで大きいキーボードを付けたいというあたりはIBMのこだわりを感じます。
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【悩める相談者】確かに、入力するときのリズムは大切ですね。
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=【解答者(Taさん)】===============================私信===
Keyboardの雑学
To 眠れない識者
IBMのKeyboardの吸い込まれるような感触をtactileと呼び、その昔は高級で当然 ”expensive”でCDするのに苦労したことを思いだし、辞書をひいて確認しました。
From 元 HW 技術者
追記
日本には、当時ない(知られていない)技術で、海外 欧州 USAでは、あれでなければ、”おもちゃ”とか言われた事を思い出しました。
以 上
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【悩める相談者】ほんと、あれは高級感がありました。
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=【解答者(Tbさん)】=============================私信===
木下さん
(略)
欧米人の発明によるキー文化はそれなりに積み重ねて来た歴史があると思います。先ず、現在のパソコンのキーは、それはそれ、激しく叩く代表のタイプライターからの転換だったことからして当然だったのではないでしょうか。タイプライターの音を音楽にするくらいですから。では何故、彼等は強くキーを叩く習慣を身に付けたのでしょうか。
その理由として二つ程考えられます。一つは彼等の指の強さ(指圧力等)が極めて大きいこと、且つ五本の指が各々独立に強いこと(ピアノ、ハープ、弦楽器等の発達とは無関係ではない。何故指の力が強いのかは、つい最近までの食事の取り方等関係していますが、長くなりますので割愛しますが、補足資料#をつけます)と、二つ目には乾燥した国土から由来する音感や、音の響きにあるように思います。アメリカやヨーロッパで体験されたと思いますが、叩音は極めて心地よいものがあります。鐘の音一つにもよく現れています。以上が小生の解釈です。
文化、歴史からのものだけに単純に善し悪しはつけられないものかもしれません。音に関して付け足せば、蕎麦をすする音は、欧米人にとっては悪しき音ですが(スープもそうですが)、我々にとっては考えられないことです。
# ヨーロッパは、フランス革命後頃から庶民も現在のようなナイフとフォークを使って食事を取るスタイルになったが、それまでは、ナイフが中心で絵画にも見られるように、一部木製のスプーンが使われていましたが、ナイフと素手が基本で、ナイフも金属製になる前は長い間、素手と歯で主に肉を食っていたようです。そのために素手で肉を割くことも重要なことの様でした。
以上
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【悩める相談者】文化の違いですか、なるほど。
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=【解答者(Wさん)】===============================私信===
re:キーボードの入力
こんにちは。久しぶりに掲示板を覗いたら、すでに素朴な疑問(WWW)とその回答が出そろっていたので、ちょっとくやしい気がしました。しかし、木下さんの【素朴な疑問】はいつも思わず自分の席でニヤニヤしてしまうようなものばかりですね。
私はまわりの人から「お前のキー入力はうるさい」と言われる立場です。自分ではうるさくstrikeしているつもりはないんですが、やはり隣(私の隣は課長の席です。なんてこったい)から見れば、いやいや聞けばかなり気になるのかもしれません。
木下さんの【素朴な疑問】を読み、なぜ自分のキー入力がうるさいのかこの文章をpushしながら考えています。うーん、なんでだろう、よくわからないなあ。あ、いま思いつきましたが、ひとつ言えることがあります。それは、strikeではなくてpushしていると、キー入力のスピードが落ちる、ということです。つまり、私はキー入力のスピードを上げればあげるほどキーを強く叩くようになる、ってことですね。速くしようと思うほど力がこもってしまうってことは、きっと「キー入力が下手だ」ということなんでしょう。これからは練習して、流れるようにキーをpushできるようになりたいと思います。
....とここまで書いてからまたひとつ思いつきました。木下さんのようにコンピュータ(のハードウェアそのもの)に愛着を持ちながらキーを叩く人が少ないんじゃないでしょうか、私も含めて。私はこの自分の机の上にあるパーソナルコンピュータは「ただの道具、しかもよく言うことを聞いてくれない奴」くらいの意識しか持っていないので、やさしくキー入力をしようなんてことは思っていませんでした。だからみんなstrikeするんですよ、きっと。
木下さんがぐっすり眠れるような答えではありませんね。今日の夜、ゆっくり家で考えてきます。ああ、今夜は眠れない。
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「WWW」の読み方は私もいままで悩んでいました。自分では、たまに口がまわらなくなって「ダヴュリュダヴュダヴュ」なんて(^^;言ってしまったり。 で、他人の言い方を気にしていたら、
「スリーダブリュー」
「ダブダブダブ」
「サンダブリュー」
「さんだぶ」
というのがありました。「スリーダブリュー」ってのは綺麗な言い方だなぁ、と思いましたが、自分で使うには至っていません。
次の疑問はいったいなんなのでしょうか。それを考えると、ああ、今夜も(後略)。
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【悩める相談者】「スリーダブリュー」なら、「スリーダブリューズ」と発音しないと気がすまない人が出てくるでしょう。やっぱり「ダブスリ」ですよ、「ダブスリ」。いえ、私は言ってません。
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=【解答者(Tcさん)】=================================私信===
何故キーを叩くのか
「匿名可」という魅力的なキーワードに誘い込まれるように気軽な気持ちで愚見を一言申し述べさせて頂きます。(参加できることに喜びあり)
前置きが長くなりましたが、「押す」キーと「叩く」キーがあるようです。一般の文字キーは押すような使い方ですが、「Enter」キーのように「実行」させるキーは、「行け」とばかりに叩く感じになります。
この叩く動作がさらにきつくなる時があります。それは応答が悪い時です。「効かなかったのかなぁ」という思いから再度キーを叩くのですが、自然と力が入ります。
実はこういう時はキーが効いていないのではなく、処理機能が高負荷のため停滞していることが多く、いくらキーを強く叩いても無意味なのです。
そういうことを理解しているのに、やっぱり力が入ってしまいます。「Enter」キー等はバネを強化して耐性を向上させるべきかも。
以上 Tcより
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【悩める相談者】キーを叩くという単純な行為の中にも複雑な心理があるんですね。キーボード心理学が書けそうだ。
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=【解答者(Sさん)】==================================私信===
いつも掲示文を興味深く読ませていただいております。
> 最近、パソコンを使っている人を見ていると、まさにこのキー
> を“strike”しているとしか思えない場面に出くわすことが多い。
> それも、ある程度キー操作に慣れてくるにしたがって、次第に乱
> 暴なキーさばきになってくるようである。側にいると、カタカタ
> というキーを叩く音が気になって仕方がない。
私もその一人だと思います。私が(他人から見て)乱暴にキーを叩く理由は次の通りです。
1) できる限り速い入力を行いたい。
2) ちゃんとしたキーボード入力の教育を受けていないので、手の
動きに無駄が多い。
1), 2) を総合すると、たぶん端から見てとても乱暴に見え、そして騒音も出るのだと思います。
> 乱暴にキーを叩いている人は、日頃の仕事で溜まった鬱積した
> ものをキーボードに叩き付け憂さを晴らしているのではないかと
> 思う。怒りをぶつける対象はキーではなく、その向こうにある今
> 貴方(女)が作りつつある文書なりプログラムなりの内容の方に
> してほしいものである。
おっしゃる通り、それも少しあると思います。私のようにあまり頭がよく回らない人間は、文書なりプログラムの内容に怒りをぶつけるのも困難な場合もあるのです。
ご参考になれば幸いです。
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【悩める相談者】実は私もSさんと同じような感じなんですよ。
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=【解答者(Oさん)】===============================私信===
「人はなぜ乱暴にキーを叩くのだろう」に対する個人的所見
私のこの手のキーボード遍歴は以下のようになります。
1)紙テープ穿孔機(コンピュータのコンソールを兼ねる)
2)カード穿孔機
3)TSS端末
4)MDS(インテルのソフトウェア開発システム)
5)パーソナルコンピュータ
この内、1)と2)は完全に機械式で、キーを叩く度に出る「がしゃがしゃ」という音と指に伝わる感触が心地よく感じられることもありました。この時はあまり力を入れて叩いた、という記憶はありません。指に伝わる機械的感触を確認しながら「押して」いたように思います。3)からは電気式となるわけですが、3)と4)のキーボードは非常に硬いものでした。必然的にキー入力に必要な力は大きくなり、キーを叩く音も大きくなります。パソコンが出始めた頃,私もなんであんなに力一杯叩くのだろう,と感じたこともありましたが、このことも一因かと思います。
キーボード付き製品を用いる用途にもよるのかなぁ,とも思います。技術者とコンピュータ間の機械的(物理的)接点はキーボードであるわけで(最近ではマウスなどもありますが)、技術者からの機械的(物理的)アクションは全てキーボードより行われます。
キーボード付き製品をソフトウェア開発として用いる場合、コンピュータはなかなか技術者の思ったとおりに動いてはくれないもので、この様なときは技術者のフラストレーションも溜まっていくものと思います。思い通りに動かない原因は大抵技術者にあるわけですが、そう判断できる分別が常に技術者にあるかどうか・・・・。
キーボード付き製品を例えばワープロなど仕事の道具として用いる場合、出来損ないのワープロでもない限り,キーボード付き製品自体は大抵それを操作する人の思ったとおりに動いているものと思います。ソフトウェア開発の場合に発生しがちな「思うとおりの結果にならない」が為のフラストレーションは少ないものと思います。
ただ、私は最近は力一杯キーを叩いている人を全くと言っていいくらい見かけません。(前述の話に無理矢理こじつけるつもりはありませんが、今私はソフトウェア開発を離れ、私の周りでのキーボード付き製品の用途はワープロなどのDTPが主となっています。)
ここまで書いてもう一つ気付いたのですが、作業環境の定常ノイズ(騒音)もキーボードの動作音の感じ方に大きく影響するでしょう。物音一つしない部屋でキーボードを操作する場合と,例えば新幹線の中で操作する場合とではずいぶん違うものと考えます。
以上、思うがままに駄文を連ねてみました。
(補遺)
そういえば、キーボードを乱暴に叩いている人はあまり見かけませんが、パソコン自体を乱暴に叩いている人は見かけます。ウィンドウズやウィンドウズアプリケーションが暴走してしまい(マイクロソフトの製品が多い)、パソコンから応答が無くなったときにパソコンやマウスをガンガン叩くのです。テレビやラジオが正しく動作しなくなったときにまず叩いてみる,という事をする人もいるようですが、あれと同じ反応です。
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【悩める相談者】最近は作業環境がよくなってきたので、余計にキーの音が気になるのかもしれませんね。キャリアを感じさせるコメントでした。
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【よく眠れるようになった相談者の告白】
ここで正直に舞台裏を明かすと、今回掲示する予定だったテーマは実は別のものだったのです。
5/23日(木)出社してみるとYさんからの「ヒューマンインタフェイスで最も重要なもの,キーボード」というタイトルのメールが届いていました。その中でYさんはキーボードに対する更なる研究の必要性を論じておられるのですが、その中に次のような記述がありました(Yさんには無断で引用させていただきますが、許してくださるでしょう)。「‥‥このJ−3100SGTのキーボードは非常によく出来たキーボードであり。私のように、二本の指で猛烈な強さで(ピアノでいえばffまたはfff)キーを叩く男にとっては、理想的なストロークと理想的な頑丈さをもったキーボードである。これに比べれば、今年の4月に支給されたデスクトップ・パソコン、PV3000のキーボードのお粗末さは否定すべくもない。‥‥」とあるのです。
これを読んで急遽投稿内容を差し替えることにしました。というのは、その直前にYさんがWindows版TG−Mailの虫(?)について報告されていたのを知っていたので、Yさんが怒りを込めてキーを叩いている姿がありありと私の脳裏に思い描かれたからです。このままではYさんの保持されているPV3000のキーボードが半年ともたないのではないか。もしそうなったら、これは由々しき事態になると心配になってきたのです。
それで、8番目に予定していた【素朴な疑問】をここにもってきて問題提起してみたのです。何事もタイミングが重要ですから。
したがって今回の【素朴な疑問】はまだ未完成で、もう少し書き加えたいところがありました。それは(正直に白状しますと)実は私はキーを strike する類の人間だということです。職場でキーの音を高らかにたてているのは、どうも私だけらしいのです。私の職場の若い技術者達は皆キーボード上をなめるように指を移動させています。この素朴な疑問は、実は自分への疑問だったのです。マウスの握り方さえ、普段彼らに指導されている私なのです。
話はそれますが、マウスの握り方一つでその人がWindowsをうまく使いこなしているかどうかが分かるものなのです。Win3.1からWin95の時代になってから、マウスを正しく握ることがより重要になってきました。つまりマウスの右ボタンをいかにうまく使っているかが、その人がWindowsのシステムを十分に使いこなしいているかどうかを知る一つの指標となるのです。
このように若い技術者に指導されるのは大変参考になります。去る日、自宅でTV取材されたことがありました(自慢話のようで恐縮なのですが、私にとってTV取材を受けるなど一生に一度あるかないかのことですからゆるしてください)。取材の最後にパソコンを操作しているところを撮影したいと言われました。それで、普段はキーボードを strike している私なのに、前々から若手技術者に教えられた通りのあざやかな(?)手つきでパソコンとマウスを操作してみせました(しかしあれは普段の私ではないのです)。
ただ私がマウスを正しく握ってみせたところ、それではマウスが手の甲で隠れてしまってTV映りがよくないと取材陣にクレームをつけられました。それで仕方なくマウスを浅く握って、目一杯指を伸ばして演じることになりました(これも一種のやらせですね)。その場面が放映されるかどうかは知りませんが、若手技術者に見られたら軽蔑されそうな握り方でした。
何時放映されるのか? そんなこと絶対教えませんよ。
(終り)
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