続・素朴な疑問
(24)

「おじいさん」に代わるよい呼称はないのだろうか?

 娘夫婦に子供が生まれた。私ども夫婦にとっては初孫ということになる。
 この瞬間から私めは「おじいさん」とか「おじいちゃん」と呼ばれることになった。つまり正規表現を用いて表せば“おじい[ちゃ|]”と呼ばれる存在になったのである。

 孫娘が言葉をしゃべるようになったら、私のことをどう呼ばせたらよいかということについては前々から思案していた。しかし本人がまだフガブカ言っている段階で周辺の人々が私めのことを“おじい[ちゃ|]”と呼ぶようになったのは、いささか予想外のことでありかつ心外なことであった。

 “おじい[ちゃ|]”と言うと私は直ぐ「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に‥‥」を思い起こしてしまう。つまり白髪で顎鬚を伸ばし、腰の曲がった老人のイメージなのである。仮に20歳で結婚して直ぐ子供ができ、その子供がまた20歳で結婚して直ぐ子供を生めば、計算上は40歳代の始めで“おじい[ちゃ|]”になりうる訳である。

 70歳代なら“おじい[ちゃ|]”と呼ばれても仕方あるまいと思う。しかし60歳代の前半、50歳代はたまた40歳代で“おじい[ちゃ|]”はいかに何でも呼ばれる本人にとっては違和感があるのではなかろうか。最近の政治家の言い草を借用すれば「いかがなものか」と異議を申し立てたくなるところである(誰に?)。

 “おじい[ちゃ|]”に代わるもっとよい呼称はないものだろうか。
 「おにいさん」(こりゃないな)、「じっさん」、「じっ様」(じいさんと変わりないか)、「グランパ」(英語かよ)、‥‥。
 あぁ、今夜も眠れそうにない。■