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日本では、なぜ Mail のことをメールと発音するのだろう?
日本では、なぜか Mail のことを“メール”と表記し発音している。
電子郵便とか電子メールあるいはEメールと表記していた時代もあったが、今や雑誌や新聞紙上では概ね“メール”に統一されているようである。これが、私には気になって仕方がないのである。
単に「メール」と発音するだけならそれほど抵抗はない。しかし同様な語として Mailer という語がある。これはメールの送受信を行うアプリケーションプログラム全般を指す用語であるが、Mail を「メール」と発音するからには、Mailer は当然「メーラー」と発音することになろう。
私は大学での講義中に、この“Mailer”について触れるとき何時も抵抗を感じてしまうのである。つまり自分で「メーラー」と発音しながら、同時に、下品な発音だなぁ、こんな発音では海外では到底通用しないだろうなぁ、などと考えてしまうのである。
私の知人に、常に「メイル」と表記している人がいた。どういう考えのもとにそうしていたのか詳しく聞いたことはないのだが、かな書き表現を採用するのであれば本来はこの表記にしたがうべきではなかろうか。
私は何事につけ大勢に迎合してしまうタイプなので、世の中の人が「メール」と発音・表記しているのに、自分だけあえて「メイル」と発音・表記するだけの度胸は持ち合わせていない。しかし変だなぁと思う気持ちだけは何時までも消しようがないのである。変だ、変だ。実に変だと思うのである。
試しにインターネット上の検索エンジンを用いてどちらの使用頻度が高いか調べてみようと思い立った。しかし「メイル」で検索すると検索エンジンの方で気を利かせて「メール」という語に置き換えて検索してしまう。これこそ「小さな親切、大きなお世話」と言うべきであろう。
日本では、なぜ Mail のことをメールと発音するのだろう?
あぁ、今夜も眠れそうにない。■
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