(3)日本国の体力

(3-1)森永卓郎さんの処方箋
--- なぜ日本だけが成長できないのか ---
森永卓郎さんによる解説:【音声ボタン削除

 日本のGDPが1/3に
 ・1995年に日本のGDPは世界の18%を占めていたが、2016年
  には6.5%、ほぼ1/3になっている
 ・世界並みに成長していれば我々の所得は3倍になっていたはず
 ・平成元年に中国のGDPは九州全体とほぼ同じだったが、今は
  日本の2.6倍

 成長できない理由は、
 ・この20〜30年信じ込まされてきた神話があった
  神話1:米軍に守ってもらわないと生きていけない
  神話2:金融緩和をするとハイパーインフレになってしまう
  神話3:日本の財政は破綻状態で、消費税率を上げていく以外に
  財政再建の方法はない
 ・この3つの神話に縛られて転落していった

 立ち直るには、
 ・基本的には昔からやってきた日本型経済社会立国を続けてい
  くのが本来の道
 ・この30年間に日本の大手企業はたっぷりと資産を持っていた
 ・ところが、それを軒並みハゲタカファンドに二束三文で買わ
  れていった
 ・未だにそれを続けている
 ・日本の労働分配率(付加価値の何%が労働者に分配されたか)は、
  平成の前は世界で一番高かったが、今や一番低い
 ・分配が少なくなる上に消費税はどんどんあげて増税分は法人税
  減税や富裕層の減税に持っていかれている。そこに問題がある

 どうしたら良いか、
 ・財政を再建しようと思ったらとてつもなく簡単、富裕層に課税
  すればよい!
 ・フランスのチャプゼミニというコンサル会社によれば
  日本の投資家で、家や車以外の財産の内 右から左へ動かせる金
  のみで100万ドル(約1億1千万円)以上持っている富裕層は
  316万2千人いる(世界2位、中国より多い)
 ・彼らの財産総額は847兆円にもなる。例えばこれに5%の税を
  かけると40兆円の税収になるから、これだけで財政黒字になる
 ・フランスの経済学者ピケティによると、彼ら富裕層は5%で財
  産を増やし続けているから5%をかけても彼らの資産は減らない
 ・超富裕層の大きな特長は、誰も働いていないこと!
 ・濡れ手に粟で儲けている彼らから金を取っても誰も困らない
  社会的不正義にはならない

 どこかがおかしい
 ・昔は一流企業のトップでも年収は3000万円位だったが、時価
  総額と連動するようになってからは何千万も何億も取る経営者
  が増えた
 ・日産のカルロス・ゴーンがとてつもないことをやっていたのが
  明るみに出た
 ・日本政府の官房機密費30億と同じ位の機密費を一企業の会長
  が自由に動かせる。これがはたして正しいことなのか
 ・昔の経営者は新しいものを発明して我々の暮らしを豊かにする
  ことで働いて稼いでいた。今の大金持ちは右から左へお金を動
  かすだけで儲けている
 ・お金中毒で、お金を増やすだけでしか幸福を感じられない
  もっと増やそう、もっと増やそうとしている

 お金中毒
 ・1億あれば一生遊んで暮らせる、10億あれば子供の代まで遊ん
  で暮らせる、100億あれば孫の代まで全員遊んで暮らせる100
  億持っている人は沢山いて彼らがどう行動しているかと言うと
  もっと増やそうとする
 ・税金を払いたくないから、シンガポールに移住(相続税なし)す
  る。これは病気だ!
 ・お金中毒から救ってあげるためにも、麻薬中毒患者を矯正する
  ときはどうするかと言うと麻薬を取りあげる。麻薬を取りあげ
  て まともな道を説いてあげないといけない。しかし、そう言う
  と袋叩きに会う
 ・取りあげてまともに、ちゃんと働こうよという普通のことを言っ
  ている。日本国憲法にも勤労は国民の義務があると書いてある