(3-2)令和経済への期待と不安
--- ポイントはこれだ! ---
森永卓郎さんによる解説:【音声ボタン削除】
日本の借金は本当に大変なのか?
・財務省の発表では、去年末現在で日本の借金は1,100兆5千億円
という過去最高の借金を抱えている
・1,100兆5千億円というと、国民1人当り885万円の借金を抱え
ていることになるから大変だぞ! これでは首がまわらないぞ!
・と言われて多くの国民は、そんなに借金があるのなら増税もや
むを得ないなぁと思わされている
・しかしこれは30年以上も続く財務省のキャンペーンに過ぎない
・そんなことは全くない!
日本の財政は先進国並みである
・なぜなら日本政府は世界最大の資産を持っている
・大雑把に言うと950兆円の資産がある
その半分は不動産で、半分は金融資産(アメリカ国債を100兆円分)
である
・借金と預金を両建てでやっているようなもの。資産の分を差し引
いて計算すると、純粋な借金は450兆円、GDP(国民総生産)の8割
というのは先進国と同じくらい
もう一つ大きな問題がある
・アべノミクスの中で大量の国債を日銀が買って資金供給をして金
融緩和をした
・アべノミクスのしたことは、国債を日銀券にすり替えてしまった
ことである
借金が消える!
・国債は利払いや元本返済が必要であるが、お札は利払いも元本返
済も必要としない
・これは事実上借金が消えてしまったことを意味する。経済学では
これを「通貨発行益」という
・それが450兆円、これを考慮すると日本の借金は事実上ゼロにな
る!
・日本の国債の金利は世界で一番低いゼロ(ドイツと日本)
・一般に、財政が悪くなるとどんどん金利が上がっていくはず
・財政が悪くなると、たとえばギリシャでは破綻の後すぐ金利が
20%になった。瞬間的には40%になった
・財政破綻とはそういうことを言う
そもそも増税の必要性は全くない!
・日本の財政は世界一健全だから、増税の必要性は全くない
・何が起こっているかは明らかで、法人税に代表される富裕層の税
金を下げるために消費増税をしてきた。これは税収の項目別推移
を見れば明らか
・庶民を増税し、富裕層を減税している
・これを直接言うと国民の反発を買うから「社会保障をまかなうた
めはどうしても消費税を上げなければならない」という風に言っ
てきた
企業と労働者が共に支えるもの
・本来、社会保障は企業と労働者が共に支えるべきもの
・社会保険料、たとえば厚生年金の保険料、健康保険料等の財源は、
働く人と企業が折半で支えてきた
・しかし国は今後必要な財源は消費税でまかなうと言っている、こ
れはおかしな話である
・消費税とは、消費者つまり働く人が払うもの。企業は一銭も負担
しないというのが消費税の特長
・高齢化でどんどん社会保障の需要が高まってくる中で、企業は全
く社会保障を負担しないという考えはバランスとしておかしい
・企業の内部留保は400兆円を越えている。手元の現金だけでも200
兆円のお金が積み上がっている
・一方、庶民は第2次安倍内閣発足後だけでも5%以上の実質賃金が
下がっている
・物凄く企業が潤っている中で、何故企業は税金を下げ庶民は上げ
る必要があるのか
・まともな議論が為されていない
法人税を上げるべき
・富裕層への課税が必要
・ワールド・ウェルス・レポート (世界の富裕層調査レポート)に
よると、日本には、1億1千万円以上の投資可能資産(右から左に
動かせるお金)を持っている人が316万5000人もいる。アメリカ
に続き世界2位、前年比9.4%増
・とてつもない金持ちが急増している
その人達から税金を取ることを考えれば庶民には減税できる
富裕層への課税
・1%の富裕層に課税すれば、消費税は5%に下げられる
・消費税を下げられれば確実に消費が増える。景気も良くなる
から減税の必要性は益々なくなる
・何故、プラスの循環をもたらす政策を考えないのか
・自己負担が増えているので消費を押さえる傾向になっている
このまま放置するとそうなってしまう
・5月の給与は、非正規の人は連休で給与が落ちる
・大手企業に勤める人は働き方改革で残業が減って給与が落ち
る
・そういうところへ増税を課してはいけない
|