(6)排尿障害

(6-1)前立腺肥大症
高橋悟先生による解説:【音声ボタン削除

 前立腺肥大症とは
 ・前立腺とは、膀胱の下、尿道口を取り囲む部分でクルミ大のもの
  年齢とともに肥大すると前立腺肥大症という。男性だけ
 ・精液の一部の前立腺液を分泌している。尿道を圧迫するので尿が
  出にくくなる

 症状
 ・排尿に時間が掛かる
 ・残尿感、後でチョロっと出る、キレが悪くなる
 ・回数が増える、2〜3時間でも我慢ができなくなる
 ・排尿時間を時計で測ってみて、30秒以上なら排尿障害が疑われる
  1分以上なら間違いなく前立腺肥大による排尿障害

 患者数
 ・50代の中頃から、男性の5人に1人、約400万人の患者
  治療をうけに病院に来るのはその1/3で140〜150万人
 ・段々年とともに大きくなる 原因は分かっていない
 ・男性ホルモンによって大きくなる
 ・他のホルモンとのバランスの問題か
 ・高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症等の生活習慣病と関係
  があるメタボリック症候群が関係するか?
 ・研究中

 診断
 ・病院では超音波検査(エコー)で形や大きさを調べる
 ・必要に応じて尻の穴から指を入れての触診を行う
  最近は必ずしも触診は必要ない

 治療
 ・先ず薬が中心。尿道への圧迫を緩める薬と、前立腺を小さくする
  薬とがある
 ・最近は小さくする薬が使われるようになってきて手術をする症例
  は減っている
 ・ジヒドロテストステロンという前立腺を大きくするホルモンを抑
  えて前立腺を縮小させる。約30%位小さくなる
 ・薬の副作用としては、数パーセントの人で性機能障害が出る

 外科手術
 ・全く尿が出ない状態(尿閉)になった場合
 ・薬では症状が改善されない場合

 日常生活の中で改善できること
 ・自主努力としては
 ・水分の摂取を(普段のみ過ぎている人は)減らす
 ・生活習慣病と関連するので運動をする
 ・冬は下半身を冷やさないようにする
 ・アルコール、カフェイン等利尿作用のあるものは控える
 ・骨盤底筋体操:尿道と肛門を閉める運動 5 〜10秒。50〜60回/日