(22-1)認知症
奥村歩先生による解説:【音声ボタン削除】
認知症と認知機能の低下
・物忘れ外来でよく患者さんにNHKの朝ドラの話題を持ちかけ
ると
・前は良く見ていたが最近はつまらなくなって見なくなったと
いう答えが返ってくると、これは認知症の黄色信号
・アルツハイマー型認知症では、ちょっと前、直近の出来事を
記憶に止めておくことができない。そのため昨日までのあら
すじが頭の中に残っていないので、今日見てもストーリーが
繋がらなくなってつまらなくなり結局見るのをやめてしまう
・これはNHKだけではない。ドラマの連続物を見なくなったら
要注意
・こうなると、どういうドラマを見るのかと聞くと、必ず出る
答えは「水戸黄門」
・水戸黄門しか見なくなったら認知症のサインの一つ
・水戸黄門は記憶力が衰えても面白い、何時どこから見ても争
いが同じだから(金太郎アメみたいに)
取り繕い言動
・物忘れだけでなく認知症の人の大きな特長はそういう行動を
取り繕うことが一つのサイン
・テレビをどうして見ないのと聞くと、最近のテレビはつまら
ない。最近は暗いニュースしかやっていないから、テレビが
壊れているから。こういうのを取り繕い言動という
・物忘れと同じように認知症のサイン
・お歳はいくつと聞くと、「もういい歳です」
・いい歳っていうと何歳になるんですかと続けると
・たいてい、私は長生きし過ぎたから、自分のとしは60過ぎる
と数えていません
・こういう取り繕いがあると危険なサイン
・物忘れで支障が出たりして話がかみ合わなくなり「そんな話
は聞いていない」とおこりっぽくなる。頑固も同じ
・白と黒の中間のグレーゾーンが少なくなって妥協できなくな
る
・白黒型の思考パターンに陥りやすいのが認知症のサイン
またそういう考え方をする人が認知症になりやすいとも言わ
れている
ボーっとすることも必要
・NHKのチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱
られる
・しかし、ボーっと生きていることは大変重要である
・20世紀の脳科学の大きな発見
・ボーっとしていると何もしていない、頭を使っていないと考
えられていた
・実はボーっとしている時に脳は大切な働きをしていることが
判明している
・その働きとは、脳の老廃物を整理整頓してごみ掃除して脳の
疲れを取っていることが分かってきた
・このぼんやりする機能の働きはデフォルトモードネットワー
ク(DMN)という名前で呼ばれている。パソコンで言えばフリー
ズして何もしていないのではなくクリーニングをしていて操
作をすると何時でもサクサク作業に戻れるようにスタンバイ
作業をしている
公務員はボケやすい?
・役所の公務員はボケやすい
・仕事の性質でマニュアル化されたワンパターンの名簿をこな
すというのは脳にとってあまりよろしくない
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