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私の本棚:著者謹呈された本
── 著者謹呈された本
私の本棚を紹介します。
第12回は、私が著者謹呈された本を取り上げます。
上掲写真で、右から順に、
(1)「余白」:松下重悳氏から
(2)「伝馬船」:松下重悳氏から
(3)「言葉の科学」:松下重悳氏から
(4)「Yohaku」:松下重悳氏から
(5)「ボストン・ライフ」:三好彰氏から
(6)「PROGRAMMING」:Dr.Maurerから
(7)「コンパイラ入門」:小田一博氏から
(8)「人文科学の FORTRAN77」:西村恕彦氏から
(9)「論考集:紋章とモットー」:船津剛男氏から
(10)「星霜九十年 私の歩んだ道」:齋藤清吉氏から
(11)「雪の野望」:木下利和氏から
(12)「句集 光と影」:氏家飄乎(本名 文昭)氏から
となっています(詳細は【解説欄】を参照してください)。
その他、著者献呈された本としては以下のものがありますが、これらは既に当欄『私の本棚』の(6)と(9)で紹介したので、ここでは取り上げませんでした。
▼安井収蔵氏による 「当世美術界事情」,「当世美術界事情U」
▼升尾梅世氏による 一連の「ナンバープレース問題集」
【注】その他、まだある筈なのですが、残念ながら現時点では行方不明です。見つかり次第追加する積りです。
【解説欄】
▼著者謹呈された本
▼松下重悳氏から贈られた本
会社の上司である松下重悳氏が、在職中に自費出版されたものです。
「余白」は、著者が業務報告の末尾に俳句を添えることを習慣としていたので、その7年間の成果をまとめたものです。各句ごとにそれを詠んだ時の状況と、その句と関連する業務上の出来事とが書き添えられています。
「伝馬船」は、著者の体験的随筆集です。私の感想ですが、自叙伝的なところも多々含まれているので尊敬する上司の生い立ちが分かり大変興味深く読みました。
「言葉の科学」は、超一級の英語の使い手である著者が、長年苦労して体得した英語上達の秘訣を公開してくれた本です。特に普段から日本語をよく理解し、愛着を持ち、大事にしなければいけないと主張されている方の書いたものですから尚更説得力があります。
今回、久しぶりにこの本を取り上げて開いてみたところ、メール交換の記録をプリントした用紙が挟まれていました。確か、内容に関して疑問点のやり取りがあり、その経緯を記録したものでした。久しぶりにそれを読み返しながら、しばし昔の思い出にふけりました。
「Yohaku」は、先の「余白」の公開後に作られた俳句(約3年分)が盛り込まれています。今回は、日本語版と英語版が対になっています。もちろん俳句も英語になっています。これは見ものです。
松下重悳氏による 「Yohaku」,「言葉の科学」,「伝馬船」,「余白」
▼三好彰氏から贈られた本
(5)「ボストン・ライフ」は、会社の同僚 三好彰氏が、米国ボストンに3年間駐在した間の体験を記した本です。
三好彰氏による「ボストン・ライフ」
▼W. Douglas Maurer から贈られた本
(6)「PROGRAMMING」は、Dr. W. Douglas Maurer(UC Berkeley)から贈られたプログラミングの入門書です。
1968年に米国サンフランシスコにあるソフトウェア会社で研究開発をしていた頃、Dr.Maurerからコンパイラの最適化処理について短期間の指導を受けました。その際に、できあがったばかりの彼の著書を贈られたのです。
不思議なことに、この本には価格が記されていません。「an introduction to computer languages and techniques」という副題が付いていることから分かるように、多くの教育現場でプログラミングテキストとして利用されている素晴らしい本なのですが。
Dr.W. Douglas Maurerによる 「PROGRAMMING: an introduction to computer languages and techniques」
新米プログラマへの、心の籠ったメッセージとサインを見返し部分に書いてくれました。
▼小田一博氏から贈られた本
(7)「コンパイラ入門」は、会社の同僚 小田一博氏の労作です。プログラム言語FORTRANをベースとしてコンパイラ作成法を詳述した398頁の大著です。今ではなかなか手に入らない貴重な文献と言えるでしょう。何しろ、著者本人の手元にも、もはや残っていないそうですから、これから益々価値が増していくかもしれません。
小田一博氏による 「コンパイラ入門」
▼西村恕彦氏から贈られた本
(8)「人文科学の FORTRAN77」
西村恕彦氏(東京農工大学教授(当時))から贈呈されました。受取日が1979-1-22となっているので、昔の手帳で調べたら情報処理学会のSC5 FORTRAN委員会の場で頂いたものと思われます。
西村恕彦氏による 「人文科学の FORTRAN77」
その後配られた正誤表が添付されています。
西村恕彦氏による正誤表メモ
▼船津剛男氏から贈られた本
(9)「論考集:紋章とモットー」は、会社の同僚である船津剛男氏から贈呈されたものです。
故船津剛男氏は、コンピュータ関係の仕事の傍ら紋章学の熱心な研究者であり、私家版としてA4版の「論考集:紋章とモットー」という大著をものされました。病気のため入院される直前に手渡されたものです。
残念ながら論考集は未完であり「論考その1」から始まって「論考その5」の途中までで終わっています。詳しくは【素歩人徒然】「大統領の紋章」を参照してください。
船津剛男氏による 「論考集:紋章とモットー」
▼齋藤清吉氏から贈られた本
(10)「星霜九十年 私の歩んだ道」は、義父齋藤清吉氏から頂きました。義父が、自らの歩んだ道を振り返り自分史としてまとめたものです。
齋藤清吉氏による 「星霜九十年 私の歩んだ道」
▼木下利和氏から贈られた本
(11)「雪の野望」は、会社の同僚である木下利和氏から頂きました。私にとっては、故木下利和氏は同僚というより戦友と呼んだ方がよいかもしれません。彼が退職後に執筆したものですが、こういう小説を書く才能を持っていたのかと少なからず驚かされました。
木下利和氏著による 「雪の野望」
▼氏家飄乎(本名 文昭)氏から贈られた本
(12)「句集 光と影」は、戸山高校の恩師 氏家文昭先生から贈られたものです。故氏家先生の俳号は飄乎です。詳しい記録は残されていないのですが、2003年の5月以降に郵送されてきたものです。
氏家飄乎(本名 文昭)氏による 「句集 光と影」
▼本の詳細
(1)「余白」 :1990年9月30日発行 松下重悳著, 非売品
(2)「伝馬船」 :1992年5月31日発行 松下重悳著, 非売品
(3)「言葉の科学」 :1992年11月30日発行 松下重悳著, 非売品
(4)「Yohaku」 :1993年9月30日発行 松下重悳著, 非売品
(5)「ボストン・ライフ」:2002年1月 発行 三好彰著, 非売品
(6)「PROGRAMMING: an introduction to computer languages and techniques」 :WARD DOUGLAS MAURER, (c)1968 by Holden-Day,Inc.
(7)「コンパイラ入門 ━文法から設計・製作まで」:1971年7月10日 第1版第1刷発行 小田一博著, \3,300 日本評論社
(8)「人文科学の FORTRAN77」:1978年11月30日 初版 西村恕彦著, \1,800 東京大学出版局
(9)私家版「論考集:紋章とモットー」The studies on Heraldry and Mottoes :1999年1月 発行 船津剛男著, 非売品
(10)「星霜九十年 私の歩んだ道」:1998年11月30日 第1刷発行 齋藤清吉著, 非売品 朝日新聞出版サービス
(11)「雪の野望」:2000年6月30日 発行 木下利和著, \1,600(税別) 新風舎 ISBN4-7974-1295-X C0093
(12)「句集 光と影」:2003年5月3日 発行 氏家飄乎(本名 文昭)著, 頒価 \1,500(税込) 杜鵑花発行所
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