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私の本棚:アクロイド殺害事件
── アクロイド殺害事件
私の本棚を紹介します。
第32回は、海外推理小説のアクロイド殺害事件を取り上げます。
上掲写真は、
・アガサ・クリスチィ著「アクロイド殺害事件」
です(詳細は【解説欄】を参照してください)。
この作品は、推理小説の大家アガサ・クリスティーの作品として、最近では「アクロイド殺し」というタイトルで世に知られています。昔はこんなタイトルで出版されていたのです。著者の名前も「クリスティー」ではなく「クリスチィ」となっています。
当時(私の高校生時代)の海外推理小説と言えば、コナン・ドイル、ヴァン・ダイン、アガサ・クリスティー、エラリー・クイーン等が有名でした。私は、本格派推理小説の熱烈なファンだったのでヴァン・ダインの「グリーン家殺人事件」や「僧正殺人事件」、あるいはエラリー・クイーンの「Xの悲劇」や「Yの悲劇」等を買って読みました。コナン・ドイルの「シャーロックホームズ」も友人から借りて読みました。
そういった推理小説が、かつては私の書棚に沢山あったのですが、残念ながら今は上記の「アクロイド殺害事件」しか残っていないのです。いろいろ事情があって沢山の本を収納する場所がなくなり、泣く泣く手放したのです。私の最も印象に残っている作品「グリーン家殺人事件」と「アクロイド殺害事件」の2冊のみを残し、それ以外はすべて処分しました。その後「グリーン家殺人事件」も廃棄してしまいました。
なぜ「アクロイド殺害事件」のみが残されたのかと言うと、私はこの本を読んだとき、かなり早い段階で犯人を見抜いてしまったことを子供心に誇りにしていたからです。それが私の自慢の一つとなっていたので記念の為に手放せなかったのです。推理小説に関心のある方なら多分ご存知だと思いますが、この作品には推理小説の世界では最も有名なプロットが使われているのです。もはや誰も真似のできない筋書き(プロット)になっています。
【解説欄】
▼「アクロイド殺害事件」
創元社の「世界推理小説全集」第1期28巻の内の第14番目のものです。
( 函の表 )
原著のタイトルは“THE MURDER OF ROGER ACKROYD”となっていますから、そのまま訳すとタイトルは「ロジャー・アクロイド殺し」となるはずですが、“ロジャー”も外されて「アクロイド殺し」となりました。なお、この本の本文中では“ロジャー”は“ロージャー”と表現されています。
( 本体の表紙 ) ( 本体の裏表紙 )
第1期28巻の内容は以下のようになっています。
( 第1期28巻の内容 )
私は(14)「アクロイド殺害事件」,(16)「グリーン家殺人事件」,(17)「僧正殺人事件」,(22)「Yの悲劇」や「Xの悲劇」を購入して読みました。確か(28)は「Xの悲劇」の間違いだと思います。
第2期以降の配本で「Zの悲劇」も買いましたから「〜の悲劇」3部作をそろえていたことになります。ヴァン・ダインの作品も残らず購入しましたが、(16),(17)以外は期待外れでした。
他社の出版物からですが、(2)「シャーロック・ホームズの冒険」,(3)「バスカヴィル家の犬」,(9)「樽」も読んだ記憶があります。
アガサ・クリスティー (Wikipedia から引用)
▼本の詳細
・AGATHA CHRISTIE「アクロイド殺害事件」アガサ・クリスチィ著, 訳者・大久保康雄. 昭和31年1月25日初版, 昭和31年2月27日3版, 世界推理小説全集 14巻, 創元社, 定価170円
(「世界推理小説全集」全体の監修:江戸川乱歩, 植草甚一, 吉田健一, 大岡昇平)
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