素歩人徒然 最後のコンピュータ コンピュータの暴走 愛用のパソコンが壊れました 東芝製Dynabook バックアップ用マシン 代替マシンの整備 内部HDDからデータを取り出す ファイルの復活 私の最後のコンピュータ Dynabook(T554/76LG) Dynabook(P2T6RBEG
素歩人徒然
(198)

最後のコンピュータ


── 愛用のパソコンが壊れました

▼コンピュータの暴走
・2021年8月27日
 私の愛用しているパソコンに異常が生じたようである。最初の兆候は、使用中のアプリ(エディター)で画面スクロールが突然繰り返されるようになってしまったことである。キーやマウスに何かが触れているのではないかと確認してみたがどこにも異常はない。プログラムが暴走しているのだ。これはまずいと思って私はコンピュータの使用を一時止めることにした。

 コンピュータの本体が異常に熱を帯びている。一晩休ませて明日の朝もう一度確認してみることにした。長く使ってきたコンピュータだったからそろそろ寿命が尽きる頃だとある程度の覚悟はできていたので、私は早くも保存しなければならないファイルは何か と考え始めていた。

・2021年8月28日
 翌朝、コンピュータ本体に電源を入れる前に私は大型の扇風機を持ってきてノートパソコンの右側部分(一番熱を発しやすい場所)に強い風が当たるようにして本体の熱を逃がす工夫をした。どの程度効果があるかは分からないが熱が限界値を超えないうちに保存できるものは保存しようと思ったのである。しかしそれは甘かった。事態は予想以上に早く進んでしまった。

 コールドスタートから立ち上げたので初期設定が終わって使えるようになるのにある程度の時間が掛かる。その間にどんどん熱が上がってしまいスクロール機能の暴走が再び始まってしまった。この状態で何かを保存したりするのは危険である。突然のシステムダウンが起こればハードディスク(HDD)の内容も壊れてしまうだろう。無念だったが作業を中断しコンピュータ本体の活動を閉じることにした。

▼最後のコンピュータ
・2021年8月28日
 この日は、私が持っている東芝製 Dynabookの最後の1台(!)がその役割を終える日となった。私にとっては“最後のコンピュータ”との別れの日となったのである。

Dynabook T554/76LG

 このパソコン(Dynabook T554/76LG)を購入したのは、記録によれば 2014年3月21日 である。途中で小さな不具合(詳しくは 素歩人徒然(186)「故障」参照)はあったが、概ね健康で長生きしてくれたと思う。5年間くらい使えれば十分だと思っていたが、7年半(正確には7年と159日間)も長生きしてくれたことになる。

▼バックアップ用マシン
 私は、コンピュータ本体が壊れたときに備えて大切なファイル類を失うことのないよう常にバックアップマシンを用意していた。以前は、手持ちの古いマシンがいろいろあったので旧OSのものを引退させバックアップ用に用いていた時期もあった。しかし最近はバックアップ専用と言ってもセキュリティー対策はしっかりとしなければならないから、最新OSを搭載した機種を購入してバックアップ体制を整えてきた。ただ処理速度の遅いマシンなので常時使うのには向いていない。しかし非常事態であるからこれを一時的に代替マシンとして用いることにした。

 バックアップマシンには、必要なファイルを定期的に保存していたので確認してみると今回の不具合が発生した日の4日前(2021年8月24日)にファイルを保存していたことが分かった。4日分のデータだけが保存されていないことになる(実際に、24日から27日の間のメール交信の記録が失われていた)。これでかなり安心したのだが、自分が作ったものではない各種のプログラム類を調べて必要なら救出しなければならない。更に、私が今まで築き上げてきたソフトウェア開発環境もそのままの状態で回復し、新しいコンピュータ上に移さなければならない。これが一番大変であることが予想された。

 更に、しばらくの間はバックアップマシンを代替マシンとして使わなければならないから、そのための代替マシンの整備が必要になる。その間に、代わりの新しいマシンを手配し新パソコンの設定をしなければならない。そして、一番重要なデータの救出を行うのである。これらを並行して進める必要がある。これから忙しくなりそうである。

▼代替マシンの整備
・2021年8月29日
 とりあえず日々必要となるソフトウェアとしては、
 (1)メール送受信のためのメイラー

 ホームページ管理のための
 (2)エディター
 (3)Perl処理系
 (4)ファイル転送ソフト

 などが必要である。

・2021年8月30日
 これらを整備している間に新しいコンピュータの機種選びをしてすぐに発注することにした。幸い、そろそろコンピュータを買い替える時期だと自覚していたので機種選びで迷うことはなかった。代替機からインターネット接続で発注した。

・2021年9月1日
 代替マシンからのメール送受信が可能となった。

▼内部HDDからデータを取り出す
・2021年8月30日
 さて、いよいよ壊れてしまったコンピュータからファイル類を復活させる作業にとりかかることにした。コンピュータ本体から内蔵HDDを取り出す必要がある。

  
ディスプレイ部を開く   上面を閉じる  


 コンピュータ本体を裏返して裏面の13本程のネジを取り外す。


裏面

 裏面のカヴァーを取り外すとコンピュータの内部があらわになる。


コンピュータの内部
(HDDは、既に取り出された後の写真です)

 HDDが収まっていた場所です。


HDDの収納場所

 取り出したHDDをよく観察する。


HDDの上面


HDDの下面

 7年間の技術進歩は凄いものがあるが、取り出したHDDは7年前に組み立てられたものだからそれほど心配はしていなかった。昔から使っていた“XpressDock”という機器さえあれば、取り出したHDDをバックアップマシンに接続できるから と単純に考えていた。しかし接続するにはPCカードスロットが必要であることを思い出した。最近のパソコンには用意されていないものが多い。これは困ったことになったぞ(!)。

 今までパソコンを取り替えるときはデータを取り出すのにこれを利用すればよかったが、今はもう使えないことが分かった。この機器を購入したのは1999年のことだから、言ってみれば文字通り“前世紀の遺物”である。もはや使えなくなったのは当然のことかもしれない。

 最近ではUSB接続のものが多数売られている。ここでは、SATA-USB変換ケーブルを使うことにした。

▼ファイルの復活
 このようにして、内蔵HDDをバックアップ用マシンにUSB接続し、外付けHDDとしてアクセスできるようになった。


内蔵HDDの読み書きが可能に

 これは実際の作業中に、急に思いついて写真撮影したものなので分かり難いですね。ただ機器が絡み合っているだけのように見えます。
 以下に示すのは、新しいコンピュータ環境で使っているときのものです。各機器の接続状態が分かるように位置を工夫しました。


各部品の名称と位置関係

 あとは必要なファイルを捜し出しバックアップ用コンピュータへ移動させればよい。このときできるだけ間違いが起こらないようディレクトリごと移動させる。大きなファイル移動だと転送に時間が掛かる。私の場合、寝る前に設定して一昼夜掛かったこともある。したがって代替コンピュータで必要とするものだけを移動し、その他のものは新しいコンピュータが使えるようになってから本格的な移動作業に取り掛かることにした。

・2021年8月31日
 この間に注文しておいた新しいパソコン(Dynabook P2T6RBEG)が届いた。しかし、代替マシンがある程度使えるようになるまで手を触れないことにした(一応、梱包を解いて中身を確認はしたが)。


届いたばかりの新しいパソコン


▼新しいソフトウェア環境を取り戻す
・2021年9月2日
 新コンピュータの設定開始。

・2021年9月5日
 新コンピュータが、そこそこ使えるようになった。

・2021年9月7日
 新コンピュータに移行。
 初めてメール交換に使い始める。

・2021年9月8日
 代替コンピュータをバックアップ用コンピュータに戻す。

・2021年9月20日
 ホームページ上の「My Computer Careers List」の
 《私が使用したことのあるコンピュータの一覧》に、
  ・「Dynabook T554-76LG」の引退を登録
  ・「Dynabook P2T6RBEG」を新規登録
 を記録した。

 なお、新コンピュータ「Dynabook P2T6RBEG」は、東芝製ではなくDynabook社の製品であるが、カラーの美しさは相変わらずで、私は大変気に入っている。HDDではなくSSDが使われているので驚くほど高速である。

 私の年齢から考えて、恐らくこのコンピュータが“私の最後のコンピュータ”になるだろうと思う。したがって、壊れた時の対応については考えないことにする。内蔵ストレージSSD(Solid State Drive)からデータを救出する経験は、一度はしてみたいと思ってはいるが‥‥。


Dynabook P2T6RBEG

 なお、詳しい仕様は上記《私が使用したことのあるコンピュータの一覧》の各項目のコメント欄に掲示してあります。興味のある方は参照してください。