素歩人徒然 ホームページとブログの併用法 サイトアクセスの方法が変わってきた
素歩人徒然
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ホームページとブログの併用法


── サイトアクセスの方法が変わってきた

 自分のホームページが、第三者から実際にどのくらい参照されているかは、誰でも知りたいところである。そこで、トップページ上にカウンターを設定することになる。
 私めのホームページは“田舎のあばら家”という感じのものなので、ほとんど訪れる人はいない。本人は、特別大勢の訪問者があることを期待している訳ではないが、それでも全く訪問者がいないとなるとこれはまた寂しいものがある。ウェブ上に公開している意味がなくなってしまう。以前は、日に十数人の訪問者を記録していたが、近頃は数人程度に減ってしまっている。そう頻繁に内容をアップデートしている訳ではないから、これは仕方のないことであろう。

 最近は、訪問者ゼロという日もしばしばある。しかし不思議なことにホームページ内の個々の欄には、頻繁に参照された痕跡が残されているのである。少なくとも日に30数箇所、多いときは40〜50箇所が読まれている(*1)。これはどういうことなのか。以前、ある読者から、トップページの表示に時間がかかるから「更新情報」の欄からホームページに入ることにしています、と言われたことがあった。通信回線がブロードバンドになってからは、そういう配慮は不要の時代になったと思っていたのであるが。

【注】(*1)私のホームページには、トップページ以外の個々の欄にも非表示のカウンターが設定されている。そのデータから読み出し回数や最後のアクセス日時を知ることができる。

 特定のサイトの内容を読みたい場合、普通我々は先ずトップページから入り、そこから各テーマごとに枝分かれして自分の読みたい欄へと移動する。このルートからの訪問者を、ここでは“トップページからの訪問者”と呼ぶことにしよう。
 トップページを経由せず各欄に直接移動してくるのは、多分検索サイトからのアクセスであろう。検索エンジンのサイトで特定のキーワードを与えて、表示された項目リストの中から飛び先を選択し直接入ってくるケースではないかと思う。確かに、そういうケースが最近増えていることを私は実感しているのである(*2)。そのような訪問者のことを、ここでは“検索サイトからの訪問者”と呼ぶことにしよう。私のホームページは開設以来10年以上経つので定期的に閲覧してくれる読者がいる。長い間に掲示内容は結構豊富になりテーマも多岐に渡っているためか、特定のキーワード検索で引っかかって、たまたまアクセスしてくる人もいるのである。何事も検索エンジンに依存する時代であるから、こういった訪問者のことをこれからは意識して対応しなければならないと思う。

【注】(*2)特に最近は「世界初のノートパソコン」や「数独パズル」というキーワードで頻繁にアクセスしてくる訪問者が多い。その欄のアクセス記録の解析から、検索サイトの名称、検索に使われたキーワードが分かるのである。

 つまり、これからのホームページ作成者は“トップページからの訪問者”に備えてトップページ上に詳細な案内表示をするだけでなく、“検索サイトからの訪問者”のことも意識して対応する必要があるということである。そのためには各欄の表示内容ごとに、検索サイトの目にとまりやすい(検索対象とされる)ような工夫を施す必要がある。普通は、メタタグ <meta name="keywords" content="・・・・・・・・"> にキーワードを登録するが、これはトップページに対して有効である。それに対し、各欄を紹介するには、タイトルタグ <title>・・・・・</title> に、その記事の内容を示す簡潔な文章を記すとよい。面倒ではあるが、そうやって使い分ける時代になったのである。

 話は変わるが、私は最近ブログを開設した。従来のホームページと併用して、ブログをどのように活用すればよいかを研究したいと思ったのである。
 ブログ形式のホームページに対して、従来のホームページは HTML/Javescript を用いて記述していたので、ここでは DHTML形式のホームページと呼んで区別することにしよう。

 DHTML形式のホームページは、テーマごとに整理されていれば、かなり以前に掲示した内容のものでも、新しいものと変わらずにいつまでも読者の目にとまる可能性が残されている。したがって、記事内容の鮮度を比較的高く保つことができると言えるであろう。一方、ブログ形式のホームページでは、新たな記事は常に先頭に表示されるので当初は目立つが、少し古くなると記事はどんどんと沈んで行って、アーカイブとしてまとめられてしまう。つまり日刊紙のように記事が読み捨てにされているような印象を受けるのである。

 この二つの特徴の違いをうまく使い分けて、ホームページ上の記事を広く読んでもらえるよう工夫しさえすれば、訪問者をDHTML形式のホームページの方へ誘(いざな)うことができるのではないか。そのための手段として、ブログ形式のホームページを活用することにしたのである。つまりブログ上には、ちょっとしたホットな話題を提供し、その中でより詳しく知りたい読者にはこういう詳細記事がありますよと伝えるのである。こうすれば、古い記事でも再び脚光を浴びさせることができる。まぁ、言ってみれば駅前でビラ配りをして客引きをしているようなものですな。これを“客引きによる訪問者”としたのでは少し品が悪いから“ブログからの訪問者”と呼ぶことにしよう。

 これからのホームページ作成者は、
 (1)トップページからの訪問者、
 (2)検索サイトからの訪問者、
 (3)ブログからの訪問者
が存在することを認識し、DHTML形式のホームページとブログとを併用してホームページ構築に取り組むべきではないかと思うのである。■