素歩人徒然 宛名書き 変更通知の法則
素歩人徒然
(91)

宛名書き


── 「変更通知の法則」は正しかった?

 今年も例年通り、お年玉付き年賀はがきの抽せん会が開かれ当たりくじ番号が決定したようである。そして我が家では、今年も例年通り、切手が数枚当たっただけで終ってしまった。
 これで年賀状に関する行事はすべて終ったので、年賀はがきの束をまとめて整理することにした。

 ところで、去年の年賀はがきには自宅の住居表記が変更された旨を報せる文を書き添えておいたのだが、残念ながらあまり効果はなかったようである。今年受け取った年賀はがきの約半分(正確には45%)が、旧住居表記のままとなっていた。依頼した変更はほとんど無視され反映されていなかったのである。昨年の年賀状には、念のため以下のような法則も書き添えておいたのだが・・・。

【変更通知の法則】
 ・どんな変更も、最初は「たいした影響はない」ように見える。
 ・したがって、変更を通知しても誰もそのことに関心を払わない。
 ・変更にともなうトラブルが発生すると、初めて問題の重要性が
  理解される。
 ゆえに、変更を伝えるのは無駄である。

残念ながら(?)この法則の正しさが証明されてしまったようである。このままでは、数年後には受け取れる年賀状の数が激減することであろう。

 最近は、宛名書きがワープロ化されたものが多い。住所録がパソコンで管理されていて、そのまま自動的にはがきに印刷されるようになっているのである。一度そういう環境が構築されると、以後は宛名書きで苦労することがなくなる。そうなると自然に住所録を管理する意識も薄くなってくるのではなかろうか。

 私は年賀状の宛名書きくらいは自分で手書きすることにしている。前年受け取った年賀はがきを見ながら、一枚ずつ丁寧に書いていく。そのため、今年はいろいろと失敗をしてしまった。宛名の所番地の数字をうっかり書き間違えてしまったのである。郵便番号が正しく書いてあっても、所番地がちょっとでも間違っていれば、有能な日本郵政といえども配達はできないものらしい。
 もう一つの失敗は、新年になってから届いた年賀はがきに対する返礼はがきを書いていて、「2月からは以下の新住所に替わります」と書いてあるのを見落とし、まだ住んでいない新住所の方を書いてしまったことである。

 両方とも「宛先不明」で戻ってきてしまった。運の悪いことに現在我が家は建て替え中で、その間住んでいる仮住まいの方へ転送されるのに時間がかかってしまった。そのため、もう年賀状のやりとりがとっくに終わった頃にはがきが戻ってきたのである。仕方なく、今年は年賀状は失礼することにした。手書きでやっていると、こういう失敗をするんだなと反省しきりであった。

 そろそろ私も宛名書きをワープロ化した方がいいのかもしれない。しかし全くその気が起こらない。多分、旧年の年賀状を一枚ずつ読み返しながら手書きする作業そのものが楽しいからであろう。■