素歩人徒然 スペード曲線を作る 円からスペードへ
素歩人徒然
(97)

スペード曲線を作る


── 円からスペードへ

 ハート曲線の成功に味をしめ、今度はスペード曲線の表示に挑戦することにした。ウェッブ上でいろいろと調べてみると、スペードの上部のみを表示したものはあるが、下部まで含めて全体を表示したものは見当たらないようである。これは挑戦のしがいがあると考えた。

 参考にしたスペードの形は、トランプのスペードの2を用いた。スペードのエース(A)は特殊なカードなので(トランプごとに異なり)その形を参考にする訳にはいかない。


図1

 スペードの上部はハートを逆さまにしたものとほぼ同じである。以前作ったハート曲線を逆転させればよい訳だが、これがなかなか難しかった。すべて円を出発点として描きたいのだが、出来上がりが逆さまになったスペードでは様にならないと思い、何度も式をいじりまわすことになった。スペードのカーブの曲がり具合もハートのそれとは微妙に違うように思う。そして、何度もやり直して、やっとこの形に落ち着いたのである。


図2

 一方スペードの下部、これを何と呼ぶのか知らないが(名称などないのかもしれない)ここでは“幹”と呼ぶことにしよう。この部分は別に描かねばならない。最初に作ったのは、幹の部分を三角形で描いて付加するものであった。


図3

 しかし、どうも気に入らない。部品として円でないものを用いたのも気に入らない。小さな逆ハートを描いて幹の代わりとしてみたが、とても見られたものではなく、出来上がった途端に消去してしまった。

 最終的に、複数の円弧をつなぎ合わせて幹を作ることにした。それが図4である。


図4

 この二つの図を重ね合わせて“スペード曲線”図5が完成した。


図5 スペード曲線

 このスペード曲線の方程式は、以下のように表せる。


スペード曲線の方程式

 ただ、ここで使った複数の式を併せて“スペード曲線の方程式”と呼んでいいのかどうか、その点は私にはよく分からない。

 スペード曲線の出来上がる様子を説明するために、gif画像として以下のものを作った。これだけを見れば、どのように描かれたかがすべて分かるようにした積りである。


図6 スペード曲線ができるまでの過程

 スペード曲線の実際の表示に当っては、Y軸に対して左右対称であることを利用して、第一、第四象限の値のみを計算式から求め、それを第二、第三象限にも鏡像としてプロット表示しているので表示はずっと簡単になっている。■