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続々・素朴な疑問:批判的に読む
電車に乗っていて考えた。
最近、電車の中で本や新聞を読んでいる人がめっきり少なくなったように思う。スマホを利用する人が増えたからであろう。そんな中で、私だけは頑なに電子書籍ならぬ普通の本や新聞を読んでいるのである。こういう古くからのスタイルは車内では目立つようになり、その内に勇気を必要とする行為となっていくのだろう。
ところで、日本の書物はほとんど縦書きが主流であるから、当然のことながら私めは縦書きの文字を追って顔を上下に動かしつつ(つまり頷きながら)書物を読んでいる。以前「縦書き・横書き論」で述べたことだが、これが日本人が書物を批判的に読むことができない原因となっているのではないかと思う。本来、読書の姿勢としては批判的に(つまり首を左右に振りながら)読むことが大切なのだが、日本人は読んだものを何でも肯定的に(頷きながら)受け入れてしまう傾向がある。どんな書物であっても常に批判的な姿勢で読むべきであろう。
先に触れたように、最近の若者たちはスマホを利用しているから、多分 縦書きより横書きのものを読む機会の方が圧倒的に多いに違いない。したがって、これからは批判的に読む習慣を自然と身に付けた若者たちが増えていくことであろう。ただ残念なことに、彼らは書物というものをあまり読まないことである。優秀な編集者によってしっかりと査読された後に出版される(信頼のおける)書物ではなく、ネット上の(怪しげな情報を含む)横書き情報ばかりを読んでいるのではあるまいか(あっ、そう言えばこれも横書きだな)。
もしそうだとすれば、何事によらずネット上で他人を批判したり、攻撃したりすることに長けた人が最近増えてきている問題の原因は実はそこにあるのではないかと思う。スマホの利用が原因で批判的に(つまり首を左右に振りながら)思考する人が増えてきたのだとすれば、これは一大事である。スマホ利用の弊害の一つとも言えるのではないか。
情報は批判的に読むべきか、あるいは肯定的に読むべきか、どちらの姿勢がいいのだろう。分からないなぁ・・・。
(これは、ジョークですから真面目に反論しないでくださいね。)
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