(35)
私の本棚:ハックルベリー・フィンの冒けん
── ハックルベリー・フィンの冒けん
私の本棚を紹介します。
第35回は、ハックルベリー・フィンの冒けんを取り上げます。
上掲写真で、左から順に、
(1)「ハックルベリー・フィンの冒けん」、
(2) 第16章「筏のエピソード」(ウェッブ上から入手しプリント出力したもの)
となっています(詳細は【解説欄】を参照してください)。
(1)を買うことになった経緯は【素歩人徒然(165)】「もう一度読みたい本」を参照してください。
(2)は(1)の16章の後ろに挿入されている挿話で、通称「筏のエピソード」と呼ばれているものです。マーク・トウェインが後にこの部分を削除したことから、挿話を含むものと含まないものといろいろな版が存在することになりました。物語の流れを殺すという判断からこの訳書では割愛されています。しかし出版社のウェッブサイトから同一訳者による版を読むことができます。私は割愛された部分に含まれる挿絵を手元に残す目的でダウンロードしプリント版を自分で作成したのです。
![](https://3.bp.blogspot.com/-vjJ8NHZGizo/W49U_pupIkI/AAAAAAAASOw/SI79CxdpJ_odTrpzxk3G5AqU3WbJuzf7QCLcBGAs/s1600/MarkTwain.jpg) マーク・トウェイン(Mark Twain) (Wikipedia から引用)
【解説欄】
▼ハックルベリー・フィンの冒けん
普通は「ハックルベリー・フィンの冒険」というタイトルが使われているようですが、この本では“冒けん”となっています。これは本書の原文が、ろくに学校にも行っていない浮浪者同然の少年が使いそうな言葉だけを使って書かれているからです。少年に自ら語らせることによって、本人の自覚していないユーモア、叙情、アイロニーが全篇に渡って展開されているのです。日本語訳ではそれを少しでも伝えようとする努力がなされています。幼い少年が記述する場合は、冒険の“険”ような難しい漢字は書けない筈ですから“冒けん”となったのでしょう。
・表紙です
( 帯付きの表紙 ) ( 帯なしの表紙 )
・重厚な装丁
( 分厚くて重厚な装丁 )
・裏表紙
( 帯付きの裏表紙 ) ( 帯なしの裏表紙 )
・挿絵いろいろ
( 裏表紙の挿絵 ) ( 扉の絵 )
(ハックルベリー・フィン) (第1章の挿絵「未亡人の家」)
・挿絵画家について
本書の挿絵は E. W. ケンブルによるものです。
ただし、前作「トム・ソーヤーの冒険」ではトゥルー・ウィリアムズが描いています。前作で登場するハックルベリー・フィンはかなり異なるふうたいで描かれています。比較してみると面白いですね。
(ケンブルが描いたハック) (ウィリアムズが描いたハック)
・手書き地図「ハックとジムの旅」について
ハックとジムが、ミシシッピー河を下る旅をしたルートを示す地図です。日本語訳版にのみあるものと思いますが、これを見ながら読むと大変楽しく読めます。私は、途中から Google Earth の地図を見ながら読みました。
( 手書き地図「ハックとジムの旅」 )
使用した Google Earth の地図を以下に列挙します。画像の上にカーソルを置きしばらく待つと、内容の説明文が表示されます。記入されているポイント地点が確認できたら、実際の Google Earth でその地点を捜して拡大して見る、という使い方がよいでしょう。
(物語の舞台) (セントピーターズバーグ) (ハンニバル)
(イリノイ川合流点) (ミズーリ川分岐点) (セントルイス)
(ケアロ) (メンフィス) (ニューオーリンズ)
( アメリカ合衆国 )
・「筏のエピソード」について
( 筏のエピソードの自作表紙 )
筏のエピソードには、13個の挿絵が含まれています。
( 筏のエピソード本文-1 ) ( 筏のエピソード本文-2 )
▼本の詳細
(1)マーク・トウェイン(Mark Twain)「ハックルベリー・フィンの冒けん」: Copyright (c)2017, 2017年12月28日 初版発行, 2018年2月1日 2刷発行, マーク・トウェイン著, 柴田元幸訳, 研究社, SBN 978-4-327-49201-4 C0097
(2)マーク・トウェイン「ハックルベリー・フィンの冒けん」第十六章「筏のエピソード」: Copyright (c)2017 by Motoyuki Shibata, 2017年12月28日 発行, マーク・トウェイン著, 柴田元幸訳, 研究社
(研究社のウェブサイトから、私的利用の目的でプリント・アウトしたものです)
![](/cgi-bin/user/skinoshita/Count.cgi?df=cf35.count)
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