【超極秘欄】
自己アドレス迷惑メールを撃退する方法

 迷惑メールを撃退するための一手法について紹介する。
 ここでは、各種メーラーに備えられているフィルター機能や、独立した迷惑メール削除システム等を使いながらも、結局はその被害を回避できないで悩んでいる方々を対象として記述している。これらの機能をまだ使ったことがない人は、【近頃腹の立つこと】欄の「迷惑メールの撃退法」を参考にされるとよいと思う。

 迷惑メールに悩まされている人は、一度ならずも自分のメールアドレスを変更してしまおうと考えたことがあるに違いない。スパマーの手に渡ってしまった自分の(汚れた)メールアドレスを捨てて全く新しいアドレスに変えてしまうことが、迷惑メールを回避するための最も手っ取り早くて効果的な方法だからである。しかし、それを分かってはいても、実際にはなかなか変更には踏み切れないのが実情であろう。自分のメールアドレスを使っている友人達に迷惑をかけるし、中には、汚れているとは言え自分のアドレスに愛着を持っている人もいるであろう。私も、そういった人達の中の一人なのである。私の場合は、それに加えて、スパマーへの敵愾心から簡単には引き下がらないぞという気持ちも多少はある。

 メーラーのフィルター機能や迷惑メール削除システムを使っていても、排除できない迷惑メールというものが多数ある。その代表的なものが、発信者アドレス欄に自分のアドレスが含まれているもの(自己アドレス迷惑メール)であろう。発信者名を詐称するメールは多いけれど、自己アドレス名を使って発信されたものは特にたちが悪い。自己アドレスを受信拒否の目的でフィルター上に登録してしまうと、自分の発信したメールの控えを保存したくて Bcc:cc: を指定することができなくなるからである。

 これから紹介する方法は、うまく使えば、貴方(女)の使い慣れたアドレスを変更しなくても済むかもしれない。しかも自己アドレス迷惑メールも排除できるかもしれない手法なのである。とくと読んで、参考にしていただきたい。

 この手法で使われる技術的なポイントは、次の3つである。
(1)メールアドレスの表記は、ケース・センシティブではない
 つまり、インターネット上で使われるメールアドレスの表記中の英字は、大文字と小文字を区別しないで扱われるという意味である。
 たとえば、Nanja Monja氏のメールアドレスが
  nanjamonja@areya.koreya.net
であるとしよう。インターネット上では
  NanjaMonja@areya.koreya.net
と表記してもよいし、
  NANJAMONJA@areya.koreya.net
と記してもよい。すべて同じである。

(2)文字列表記 "・・・" は、ケース・センシティブである
 各種の言語処理系やアプリケーションで使われる文字列の表記では、当然のことながら "(二重引用符)で囲まれた文字列中の英字は、原則として大文字と小文字は区別して扱われる。

(3)インターネット上で使われるメールアドレスのローカル部は、"(二重引用符)で囲むことができる
 たとえば、Nanja Monja氏のメールアドレスでローカル部とは、nanjamonja の部分であるが、これを
  "nanjamonja"@areya.koreya.net
のように表記することができる。
 ただし、一部のプロバイダーでは、この表記に出くわすと警告を発したり、拒否したりする場合がある。拒否するプロバイダーは残念ながら使用を避けるしかない。

 普通、メールアドレスの表記では、前後に飾り(赤で示す部分)を付けることができる。たとえば、
  <nanjamonja@areya.koreya.net>
  なんじゃもんじゃ<nanjamonja@areya.koreya.net>
  "なんじゃもんじゃ"<nanjamonja@areya.koreya.net>
等である。ローカル部を囲む二重引用符は、この飾りの一種であり、メールサーバー上では取り除かれて、ケース・センシティブでない環境で解釈される。ここが重要なポイントである。

 さて、これらの機能を理解した上で、メールの送受信では次のようにする。
(a)Nanja Monja氏は、自分のメールアドレスを、
   "nanjamonja"@areya.koreya.net
と表記して用いる。

(b)友人・知人には、メールを出す機会があったら、その時をとらえて表記変更を通知する。メールの署名欄に以下のように記しておけばよいであろう。
  ==================================================================
  迷惑メール排除を容易にするためメールアドレスの表記を一部変更しました。
   旧:nanjamonja@areya.koreya.net
   新:"nanjamonja"@areya.koreya.net
  どちらでも届きますが、できるだけ新表記( "で囲む )をご利用ください。
  なんじゃ もんじゃ(Nanja Monja)
  ==================================================================

(c)メーラーや迷惑メール削除システムのフィルター機能では、文字列表記が用いられるから、常にケース・センシティブな環境で処理が行われる。そこで、
・旧アドレス:nanjamonja@areya.koreya.net は、ブラックリストに登録し、常に迷惑メールとして削除されるよう設定する。
・新アドレス:"nanjamonja"@areya.koreya.net は、ホワイトリストに登録し、常に正規のメールとして受信されるよう設定する。

(d)なお、投稿やネットショッピング等で用いるメールアドレスは、旧アドレスを用いる方が無難であろう。

 これらの処置により、旧アドレス表記のものは常に迷惑メール扱いとなり、迷惑メールのごみ箱へと送られることになる。一方、新アドレス表記のものは、すべて正規のメールとして受信される。
 アドレス変更はしていないので、未通知の友人・知人からのメールは、ごみ箱漁りをいとわなければ、何時でも読むことができる訳である。

 しかし、迷惑メールの送信者(スパマー)がこの表記法を知ってしまったら、元も子もなくなるではないか、と心配する人がいるかもしれない。その時は、
新アドレス:"nanjamonja"@areya.koreya.net
の表記を
  "NanjaMonja"@areya.koreya.net
のように、ローカル部の大文字・小文字を適当に入れ替えてやればよい。ケース・センシティブであることが、ここで特に効果を発揮するのである。
 この例で、nanjamonja は長さが10文字分あるから、1文字ずつ入れ替えても10(=1,024)組の異なる表記法が存在することになる。新アドレスの表記はいくらでも作れるから、慌てることはないのである。迷惑メールに悩まされている人は、是非この手法を試してみてください。■